「自分はいびきをかいていない」と思っていても、パートナーや家族に指摘されて初めて気づくケースは少なくありません。いびきは単なる“うるさい音”ではなく、体が酸素不足に陥っているサインの場合もあります。放置すると睡眠の質が低下し、疲労・集中力低下・生活習慣病などにもつながる可能性があります。
「病気じゃないから大丈夫」と放っておかず、早めに原因を知り、改善できる習慣を取り入れることが大切です。ここでは、すぐに始められる対策から医療的視点まで、わかりやすく解説します。
いびきは放置しない方がいい?改善が必要な理由
いびきは、睡眠中に「空気の通り道(気道)」が狭くなり、振動して音が出る状態です。とくに以下のリスクが考えられます。
・睡眠の質が下がり、疲れが取れにくくなる
・日中の眠気・集中力低下につながる
・家族やパートナーに迷惑がかかる
・睡眠時無呼吸症候群の可能性がある
軽いいびきでも、体は十分に酸素を取り込めていないことがあります。生活習慣の見直しだけで改善するケースも多いため、まずはできる範囲から対策を始めてみましょう。

習慣編:今日から始める改善方法
寝る姿勢を工夫する:仰向けより横向きが効果的
仰向けで寝ると、舌や軟口蓋が喉に落ち込み、気道が狭くなりやすくなります。おすすめは「横向き寝」です。
・抱き枕を使って姿勢を固定
・背中にクッションを入れて仰向けを防止
・横向きでも頭の位置が下がらない枕を選ぶ
これだけで大きく改善することもあります。
生活習慣の見直し:アルコール・喫煙・肥満がカギ
いびき対策の基本は「喉と呼吸の通りをよくすること」です。以下の習慣が悪化要因になります。
・アルコール:喉の筋肉がゆるみ、気道が狭くなる
・喫煙:粘膜が炎症を起こし、空気の通りが悪化
・肥満:首まわりの脂肪で気道が圧迫される
対策としては、
・就寝3時間前の飲酒を控える
・減煙・禁煙にチャレンジ
・夕食を軽めに、糖質と脂質を抑える
・ウォーキングなどの有酸素運動を習慣化
無理に全部やる必要はなく、1つずつ取り入れるだけでも変化は出ます。
睡眠環境を整える:枕や寝具を見直してみる
体に合わない枕や寝具は気道を圧迫する原因になります。
【改善ポイント】
・枕の高さは「首の自然なカーブ」に沿うものを選ぶ
・ベッドや布団は沈み込みすぎないもの
・鼻呼吸しやすい姿勢をキープできる寝具にする
最近では「いびき対策枕」「横向き寝用枕」「快眠マットレス」なども人気です。
鼻・口のケア:鼻づまり解消や口呼吸防止アイテムの活用
鼻が詰まっていると口呼吸になり、喉の乾燥や振動が増えます。
【おすすめ対策】
・就寝前に鼻うがいや温タオルで鼻通りをよくする
・マウステープで口呼吸を防止
・鼻腔拡張テープを使う
・加湿器で喉・鼻の乾燥予防
市販グッズだけで改善する人も多いです。
運動で喉の筋肉を鍛える:簡単エクササイズで軽減
舌や喉の筋肉(口蓋垂・軟口蓋など)が弱いと、睡眠中にたるんでいびきが発生します。以下のエクササイズが有効です。
・舌を上あごに押しつける運動
・「あ・い・う・え・お」と大きく発声する
・舌回し運動(左右に円を描く)
1日数分でOK。これだけで改善した例もあります。
医療の視点
いびきが病気のサイン?睡眠時無呼吸症候群との関係
いびきと同時に「呼吸が止まる」「寝起きがつらい」「日中の眠気が強い」などがある場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
【睡眠時無呼吸症候群の主な症状】
・10秒以上の無呼吸が繰り返される
・心血管疾患のリスク上昇
・高血圧・糖尿病との関連性
放置せず、早めに医療機関で検査を受けることが重要です。
医療機関で相談すべきタイミング
次のような場合は耳鼻科・睡眠外来などでの受診を検討してください。
・家族に「呼吸が止まっていた」と言われた
・いびきが突然ひどくなった
・生活習慣を改善しても変化がない
・疲労感・集中力低下・頭痛が続く
・肥満・高血圧・糖尿病を併発している
医療では、CPAP療法、マウスピース、鼻づまり治療などが行われます。
まとめ:いびき改善は生活習慣から!質の高い睡眠で毎日を快適に:
いびきは「体のSOS」であり、放置しても自然に消えることはほとんどありません。
しかし、寝方・食生活・運動・鼻呼吸対策など、日常の小さな工夫で改善できるケースは多くあります。
今日からできる対策まとめ:
・横向き寝や枕の見直し
・アルコール・喫煙・肥満の改善
・鼻呼吸を意識した就寝ケア
・喉や舌の筋肉トレーニング
・必要であれば医療機関に相談
快適な睡眠は体の回復力を高め、日中のパフォーマンスにも直結します。
「自分はいびき体質だから」と諦めず、まずはできるところから始めてみてください。